「能登中学生 未来創造キャラバン」9月14-15日実施 府事業対象外地域を民間が支援
茨木西ロータリークラブ(大阪府茨木市)と富来ロータリークラブ(石川県志賀町)は、2025年9月14-15日、能登半島地震で被災した志賀町富来中学校2年生17名とその保護者を2025年大阪・関西万博に招待する「能登中学生 未来創造キャラバン」を実施します。志賀町は大阪府の「能登半島地域の子ども大阪観光招待事業」の対象外となっており、同じ被災地でありながら支援に格差が生じていた状況を受け、ロータリークラブが独自に企画しました。
見過ごされた被災地の現実
大阪府が実施していた「能登半島地域の子ども大阪観光招待事業」の対象は、奥能登4市町(輪島市・珠洲市・穴水町・能登町)に限定されており、同じ能登半島地震で大きな被害を受けた志賀町(旧富来町)は対象外となっていました。このため、同じ被災地でありながら支援に格差が生じている状況にありました。
志賀町の中でも特に被害が深刻だったのは「旧富来町」地域ですが、平成の大合併により現在は「志賀町」の一部となっています。このため被害の実態が見えにくくなっていたことに加え、道路の寸断により報道関係者のアクセスが困難だったことから、テレビ等で取り上げられる機会が少なく、全国的には「被害が軽微」との誤解を招いていました。

プロジェクトの概要
実施概要
- 事業名:能登中学生 未来創造キャラバン ~未来の架け橋プロジェクト~
- 実施日程:2025年9月14日(土)-15日(日)
- 参加者:富来中学校2年生17名と保護者(計39名)
- 主催:茨木西ロータリークラブ・富来ロータリークラブ
- 後援:茨木市教育委員会
プログラム詳細
- 9月14日:富来町出発、万博記念公園観光、茨木西RC・富来RC合同例会開催
- 9月15日:午前中〜午後 2025年大阪・関西万博会場での体験学習、夜 富来町帰着
支援の進化 ―物資から未来創造へ―
茨木西ロータリークラブは、能登半島地震発生直後から富来町に対する支援活動を継続してきました。第一段階では緊急物資(おむつ、軍手、防寒着、雨合羽、長靴等)を3回にわたり送付しました。生活物資や炊き出し等の初期支援が一巡した後、第二段階として継続支援の方向性を模索しました。そして第三段階として、単なる物質的支援を超えた「未来創造支援」として今回のプロジェクトを企画しました。
このプロジェクトは、能登の中学生たちが2025年大阪・関西万博という「未来の実験場」を訪れ、世界の最先端技術や未来社会の可能性に触れることで、自分たちの故郷・能登の復興に向けた新たな発想やアイデアを生み出すきっかけとなることを目指しています。
中学生たちが単なる見学者ではなく、未来の創造者として主体的に参加することで、復興への希望と活力を生み出すことが本プロジェクトの核心です。
民間による支援格差の解消
今回のプロジェクトは、ロータリークラブの「超我の奉仕」「みんなに公平か、みんなのためになるか」という理念を実践するものでもあります。
茨木西ロータリークラブの澤田会長は「行政による支援には一定の限界があります。私たち民間が補完することで、支援の拡大が実現できます。これは茨木市が掲げる『一人も見捨てへん教育』の理念にも通じるものです」とコメントしています。
富来ロータリークラブの中島会長は「地元の子どもたちが万博で未来への希望を感じ、それを故郷の復興につなげてくれることを期待しています。震災という困難を乗り越え、より創造的な地域として能登を再生していく若い力として成長してもらいたいです」と語りました。
官民連携による包括的支援の実現
このプロジェクトは、公的支援と民間支援が競合するのではなく、互いを補完し合うことで、より包括的な支援を実現する事例となっています。行政支援の限界を民間が補完することで、支援から漏れる地域を減らし、より多くの被災地域への支援拡大が可能となります。
PR TIMESでも同内容を配信いたしました
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000167781.html