コラム

茨木市の物品寄付の窓口は?何を寄付できる?寄付の注意点も紹介

突然ですが私たちの身のまわりには「まだ十分に使えるのに活用されていない品々」が眠っているかもしれません。そのような物品を必要としている方々へ届ける取り組みが、今、茨木市で広がりを見せています。

 

この記事では、茨木市における物品寄付の受付窓口や寄付できる品目、寄付する際の注意点について紹介します。あなたの「誰かの役に立ちたい」という想いを行動へと変えるヒントを、ぜひ本記事でみつけてみてください。

茨木市の団体が寄付を受け付けている物には何がある?

近年「物品の寄付」は、金銭的な寄付と並ぶ重要な社会貢献活動として認識されています。なぜなら、日本ではまだ使える状況のものが大量に廃棄されているためです。

 

たとえば、国内で供給されている衣類のリユース率は31%、家具は16%と非常に低い水準となっています。こうした現状を踏まえ、物品の寄付は環境負荷の軽減とともに、資源の有効活用を実現する持続可能な取り組みとして注目を集めているのです。

 

とりわけ、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」の観点から、各家庭の不用品を活用する取り組みは茨木市でも活発に行われています。

 

寄付が可能な物品として、以下のようなものが挙げられます。

品目

受入可能な条件

特に需要があるもの

食品

賞味期限2か月以上

常温保存が可能なもの

衣類・靴

破れ・シミなし

子ども用サイズ

ランドセル・カバン

使用可能な状態

中古品でも可

スポーツ用品

破損がなく安全に使用できる状態

子ども用サイズ

書籍・文房具

使用可能な状態

学習用品

日用品

未開封・未使用

衛生用品

食器

欠けや破損がなく、衛生的に使用できる状態

壊れにくい丈夫なもの

おもちゃ・ぬいぐるみ・人形

洗浄や消毒が可能な状態

知育玩具

チャイルドシート・ベビーカー

安全基準を満たしていてシートの破れや取れない汚れがない

サイズ・タイプ問わず需要が高い

 

ここでは、茨木市の団体が寄付を受け付けている物品について詳しくみていきましょう。

 

※出典:環境省|データで見る消費者とリユース

食品

お菓子や飲料、調味料といった食品は、子どもや若者を支援する現場でとりわけ重宝されている寄付品です。

 

なかでも缶詰やレトルト食品など、常温で保存できる食品は長期保存が可能なため、支援活動の基盤となっています。また、災害時の備蓄としても重要な役割を果たすので、フードバンクなどの支援団体では特に歓迎されています。

 

生鮮食品は子ども食堂での活用が可能ですが、保管設備や使用時期の関係で、状況により受け入れ判断が異なるため注意が必要です。寄付を検討している場合は、事前に確認を取ることをおすすめします。

衣類・靴

まだ使える状態の衣類や靴は、国内外で必要としている方々の手元に届けられます。なかでも成長が早い子どもの衣類は、需要が高いアイテムです。

 

寄付された衣類は、専門スタッフによる丁寧な選別作業を経て、国内の生活困窮世帯や発展途上国の支援プロジェクトなどで有効活用されます。特に、スポーツシューズは学校教育や課外活動でも使用されるので、使用感のある中古品でも重宝されます。

 

衣類や靴は、オールシーズン受け入れ可能な場合もありますが、保管スペースを確保するために受け入れ時期を制限している団体もあるため注意が必要です。寄付前に必ず受け入れ可能か確認しましょう。

ランドセル・カバン

耐久性の高い日本のランドセルは、高品質な素材と職人技で作られているので、卒業後も十分に使用可能な状態にあることがほとんどです。思い入れがあって処分に迷われている場合は、寄付して新しい持ち主に活用してもらうこともひとつの選択肢でしょう。

 

また、中古のカバンについても、通学や通勤などさまざまな用途で使用されます。団体にもよりますが、国内だけではなく国外に寄付されるケースも少なくありません。

スポーツ用品

スポーツを通じた青少年の健全な育成を支援するために、スポーツ用品の寄付を受け付けている団体もあります。

サッカーボールやシューズは、放課後の部活動や地域のスポーツ教室で活用され、チーム競技を通じた協調性の育成に役立てられています。柔道着や空手着といった武道具も、寄付することが可能です。

ただし、スポーツ用品は安全性が重視されるため、寄付品に関しては「破損がなく安全に使用できる状態である」ことが求められます。なお、各施設で必要とされる用具は活動内容によって異なるので、寄付を検討の際は事前に確認することが大切です。

書籍・文房具

知識と学びの機会を提供する書籍は、子どもたちの成長を支える重要な教育資源として寄付することが可能です。

特に、学習参考書や児童書は、経済的な理由で十分な教材を揃えられない家庭の子どもたちの学習支援に活用されています。また、市内の子育て支援センターでの読み聞かせなどの教育活動に使用されることも少なくありません。

文房具については、ノートや鉛筆、消しゴムといった基本的な学用品から、定規やコンパスなどの道具まで、幅広いニーズがあります。特に、新学期を控えた時期には、準備が困難な家庭の子どもたちへの支援として、新品の文具類の需要が高まります。

日用品

日々の生活に欠かせないタオルや洗剤、歯ブラシといった日用品は、生活支援の現場で重要な役割を果たしています。これらの物品は、基本的な衛生管理に不可欠なものなので、清潔・快適に使ってもらえるように、未開封・未使用の状態での寄付が求められます。

ハンドソープや消毒液などの衛生用品は、なかでも需要が高い物品です。感染症予防のために、日々支援施設や生活困窮世帯で活用されています。

食器

日常生活の基盤となる食事の時間を支える食器類も、重要な支援物資として高い需要があります。茶碗や汁椀、取り皿などの器はもちろん、スプーンやフォーク、ナイフといったカトラリーまで、さまざまな種類の食器が必要とされています。

一部の施設では中古食器も受け付けていますが、その場合は欠けや破損がなく、衛生的に使用できる状態であることが条件です。特に、子ども食堂などの食支援の現場では、多人数での使用に耐えられる丈夫な食器の需要が高まっています。

おもちゃ・ぬいぐるみ・人形

子どもたちの健やかな成長には、遊び道具を通じた豊かな体験が欠かせません。

特に、遊びながら学べるパズルやブロック、図形合わせといった知育玩具は重宝されており、論理的思考力や空間認識能力の発達を促す教材として活用されています。また、ぬいぐるみや人形は、保育施設や児童養護施設で情緒面の発達を支援する大切なアイテムとして重宝される物資です。

なお、衛生面に配慮するために、寄付品は洗浄や消毒が可能な状態のものに限られます。

チャイルドシート・ベビーカー

子育て世帯への具体的な支援として、チャイルドシートやベビーカーの需要も高まっています。特に、複数の子どもがいる家庭や、一人で子育てをしている方々への支援として、これらの育児用品の寄付は大きな意味を持っています。

チャイルドシートは、子どもの成長に合ったサイズや種類を選ばなければいけないので、経済的な負担が大きいアイテムのひとつです。ベビーカーについても、日常的な外出や買い物に欠かせない必需品として、多くのご家庭で必要とされています。

チャイルドシートやベビーカーは、中古品であっても、安全基準を満たしていてシートの破れや取れない汚れがなければ、貴重な支援物資として活用できます。

茨木市で物品の寄付を受け付けている企業・団体の例

茨木市内には、物品寄付を受け付けている窓口が以下のように複数あります。

寄付受付団体

主な受付物品

ファミリーマート(ファミマ フード ドライブ)

常温保存可能な食品(賞味期限2か月以上)

茨木市民活動センターきゃぱす

子供服、おもちゃ

茨木市ユースプラザ

食品、日用品

茨木市

書籍、食品、自転車、調理家電など

いばらき環境フェア

食料品

NPO法人グッドライフ

衣類、文房具、食器、おもちゃ、カバン、ベビーカーなど

 

それぞれの特徴や受付条件を紹介します。

ファミリーマート(ファミマ フード ドライブ)

寄付受付物品:常温保存可能な食品(賞味期限2か月以上)

 

茨木市内17店舗のファミリーマートには、「ファミマ フード ドライブ」という回収ボックスが設置されています。この回収ボックスでは、常温保存ができて賞味期限が2か月以上ある食品を受け付けています。

 

お出かけや買い物ついでに寄付できるので、気軽に社会貢献を始めたい方におすすめです。集められた食品は、子ども食堂などの地域の協力団体を通じて、必要な方々へ届けられます。

 

ファミマ フード ドライブについては、こちらから詳しくご覧ください。

茨木市民活動センターきゃぱす

寄付受付物品:子供服、おもちゃ

 

茨木市文化・子育て複合施設 おにクルで活動している茨木市民活動センターきゃぱすは、月に一度「かえっこバザールくるくる」を開催しています。このイベントでは、まだ着られる子供服やおもちゃの受け入れを行っています。

 

寄付できる物品は、「お友達に譲っても問題ない状態」のものです。持ち込まれた品は一点100円でバザーにて販売され、子育て世代の支援に役立てられます。

 

かえっこバザールくるくるについては、こちらから詳しくご覧ください。

茨木市ユースプラザ

寄付受付物品:食品、日用品

 

茨木市ユースプラザでは、個人からの食品や日用品の寄付を受け付けています。ご家庭で余らせた食材や、収穫した野菜などの寄付が可能です。

 

受付窓口はくらしサポートセンターです。寄付された物品は、子ども食堂やひとり親家庭の支援、食べ物に困っている方向けの「フードバンク」などで活用されます。

 

茨木市ユースプラザの取り組みについては、こちらから詳しくご覧ください。

茨木市

寄付受付物品:書籍、食品、自転車、調理家電など

 

茨木市の窓口では、主に企業や社会貢献団体からの寄付を受け付けています。過去には書籍や食品、自転車、調理家電などの受け入れ実績があり、寄付された物品は市内5か所に開設された茨木市ユースプラザや子ども食堂に配布されています。

 

お問い合わせ先は、茨木市こども育成部こども政策課です。大口の寄付が対象となるので、興味がある企業や団体はぜひ問い合わせてみましょう。

 

茨木市の取り組みについては、こちらから詳しくご覧ください。

いばらき環境フェア

寄付受付物品:食料品

 

いばらき環境フェアは、環境問題や資源循環の啓発を目的として年に一度開催されるイベントです。恒例となっているフードドライブでは、食料品の寄付を受け付けており、集められた物品はさまざまな理由で支援を必要としている方々に配られます。

 

企業はもちろん、一般市民が寄付を行うことも可能です。

 

いばらき環境フェアについては、こちらから詳しくご覧ください。

NPO法人グッドライフ

寄付受付物品:衣類、文房具、食器、おもちゃ、カバン、ベビーカーなど

 

NPO法人グッドライフは大阪府四條畷市に事業所があり、「不用品に、第二の人生を。」をコンセプトに、まだ使える不用品を国内外でリユースする活動を行っています。衣類や文房具、食器、おもちゃ、カバン、ベビーカーなど幅広い品目の寄付が可能です。

 

郵送による寄付にも対応しており、茨木市からも利用できます。寄付できる品目が多く、宅配便などで送れるものであれば、ほとんどの不用品を寄付することができます。ただし、送料は寄付者負担となりますのでご注意ください。

 

NPO法人グッドライフの取り組みについては、こちらから詳しくご覧ください。

物品寄付をするときの注意点

物品寄付をより効果的な支援につなげるためには、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。

各支援団体は、寄付品を必要としている方々へ確実にお届けするため、それぞれの活動方針や施設の特性に応じた受け入れ基準を設けています。寄付を検討されている方は、はじめに各団体の受け入れ条件を確認しておくことが大切です。

ここでは、物品寄付をするときに気をつけたいポイントを3つ紹介します。

寄付する物品の状態に注意

支援活動の質に直接関わるので、必ず物品の状態を確認してから寄付を行いましょう。

たとえば、子どもが使い終わった絵本は、まだ十分に読める状態であれば寄付することが可能です。一方で、ページが破れていたり落書きがあったりする場合は、受け取る方が気持ちよく使えない可能性があるかもしれません。

中古品の寄付も可能ですが、その場合は「自分が気持ちよく使用できるか」という視点で状態を見直してみる必要があります。特に衣類は、シミや破れがないことはもちろん、クリーニングや洗濯をした清潔な状態であることが望まれます。また、タオルや歯ブラシといった衛生用品については、安全性の観点から新品・未使用品であることが必須です。

食品は、保管や配布のための時間が考慮されるので、賞味期限までの期間が重要視されます。最低でも1か月、もしくは2か月以上という基準が設けられていることがほとんどです。

大口の寄付は事前に連絡するのが無難

企業や団体からの大量寄付、あるいはご家庭からの複数品目の寄付をお考えの場合は、支援団体と事前に相談しておきましょう。保管スペースの問題はもちろんのこと、支援品を効果的に活用するために、受け入れ時期の調整や配布計画の策定が必要となるためです。

たとえば、季節性の高い衣類や学用品は、必要とされる時期に合わせて配布できるように、受け入れのタイミングが調整される可能性があります。

また、大量の物品を一度に運搬する場合は、支援団体のスタッフや作業スペースの確保も必要です。運搬方法や搬入経路についても、事前に打ち合わせしておくことが推奨されています。

受付が予約制のところも

支援団体の多くは、限られたスタッフで運営されています。少ない人数で寄付品の丁寧な確認と適切な保管・管理を行うために、予約制で寄付品の受付を行っている場合もあります。

なかには、受付時間が決められていたり事前連絡が必要だったりする団体も珍しくありません。

対応可能な時間やスタッフの人数が限られている場合、いきなり物品を持ち込んでしまうと、せっかくの善意を十分に活かしきれない可能性があります。また、立ち合いの職員が不在であれば、後日再度持ち込んだり長時間待ったりするよう案内されるかもしれません。

支援活動をより円滑に進めるためにも、必ず事前に予約が必要か確認してから寄付を行いましょう。

まとめ

茨木市では、さまざまな団体が物品寄付の受け入れを行っています。不用品は捨てればもちろんゴミですが、寄付をすれば次の持ち主のもとで新しい価値を創出してくれます。ぜひ、寄付を通じて社会や環境に貢献する第一歩を踏み出してみてくださいね。

 

寄付を行う際は、物品の状態や寄付団体の受付条件をよく確認することが大切です。あなたの思いやりの気持ちは誰かの支えとなり、豊かな地域社会づくりにつながっていくことでしょう。

 

寄付活動に興味を持たれた方は、ぜひ毎週水曜日18時30分から開催されている茨木西ロータリークラブの例会にご参加ください。例会には毎回約25名の会員が参加し、会食を通じて親睦を深めるとともに、寄付活動や社会貢献活動についての情報交換をしています。

 

興味をお持ちの方は、ぜひ足を運んでみてください。

 

※当ページに事例の掲載をご希望の方は、こちらから問い合わせください。