株式会社I&Companyの多和 実月様より寄稿いただきました。
茨木西ロータリークラブの皆様、平素より地域社会の発展にご尽力賜り、心より敬意を表します。本日は、将来を担う子どもたちの予防歯科、特に健康教育に関する新たな取り組みについてご紹介したく、筆を執らせていただきました。
1. はじめに:現代において子どもの健康教育が重要である理由
近年、子どもたちの健康を取り巻く状況は、決して楽観視できるものではございません。例えば、私が専門とする歯科領域においては、衛生状態の改善やリテラシーの向上により、むし歯を有する子どもの割合は年々減少傾向にございます。しかしながら依然として、むし歯を複数有する子どもたちが取り残されていることも事実であり、「二極化」が進んでおります。また、幼少期に正しい知識や習慣を身につけていないことが原因で、歯科医院を受診する頃には手遅れの状況になっている方も少なくありません。予防歯科の重要性が増しているにも関わらず、その価値が正しく伝わっていないことや、行動に結びつかないことは深刻な課題を生み続ける要因と言えます。
学童期に身につけた健康習慣は、その後の人生における健康状態を大きく左右いたします。この大切な時期に、正しい知識と習慣を育むことは、子どもたちの未来の可能性を広げる上で不可欠です。生涯にわたり健康で豊かな生活を送れるよう、人生100年時代と言われる現代こそ、健康教育から取り組む必要性を強く感じております。
2. 口腔ケアを楽しく学ぶための仕組み
このような背景を踏まえ、弊社では、子どもたちが主体的に、そして楽しみながら口腔ケアを学べる新たな形の健康教育サービス「お口のテーマパーク」を展開しております。
「お口のテーマパーク」は、従来の画一的な指導とは異なり、子どもたちがまるでテーマパークで遊ぶかのように、楽しみながら口腔ケアの知識や技術を習得できる点が特徴でございます。例えば、歯磨きの方法をはじめとする口腔ケアをゲーム感覚で学べるゲームやワークショップ、自己の口腔に関心を持つ契機となるような絵本を制作しております。

実際に体験いただいた子ども達が口を揃えて「楽しかった!」と笑顔を見せるだけでなく、「歯磨き粉が苦手な子どもが自分からつけて磨くようになった」「学んだことをクイズ形式にして学校の先生に見せていた」といった行動変化も保護者の方よりお寄せいただいております。
3. 学校・地域との連携の可能性
健康教育は学校現場だけで完結するものではございません。子どもたちの生活は家庭や地域社会と深く結びついており、それぞれの環境での継続があってこそ、その効果は最大限に発揮されます。
そこで弊社は、学校、保護者、そして地域社会全体が連携し、子どもたちの健康を支える仕組みづくりを積極的に進めていきたいと考えております。その具体的な取り組みとして、商業施設でのイベント「お口のテーマパーク」を計画しております。弊社のゲームやワークショップなどの体験コンテンツを主軸に、検診機会や歯科製品の購入機会を設け、自然と口腔の健康への関心が向上する機会を提供したいと考えております。
また、今年度より、いくつかの小学校にご協力いただき、学校現場での実証実験を開始いたします。学校現場での効果測定を行うとともに、先生方や保護者の皆様からのフィードバックを活かし、より実践的なプログラムへと改善していく予定でございます。
4. 終わりに:子どもたちの未来のために、私たちができること
子どもの健康習慣は、一朝一夕に身につくものではございません。社会全体が協力し、根気強くサポートしていくことで、初めて子どもたちの生活の中に定着していくものと信じております。
口腔ケアは、健康教育のほんの一つの入り口に過ぎません。しかし、正しい歯磨きの習慣を身につけることを契機に、子どもたちが自身の健康に関心を持ち、主体的に健康維持に取り組む姿勢を育むことができるはずです。
弊社はこれからも、地域、学校、そして保護者の皆様と緊密に連携を取りながら、子どもたちの健やかな成長をサポートしていく所存です。ロータリークラブの皆様におかれましても、この取り組みにご理解ご賛同いただき、共に子どもたちの明るい未来を築いていくためにお力添えいただければ幸いです。

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