コラム

ロータリークラブの職業奉仕とは

ロータリークラブには「奉仕の五大部門」と呼ばれる活動の柱があります。そのなかでも「職業奉仕」は、ロータリーの原点ともいえる理念です。本コラムでは、職業奉仕の定義と理念について整理します。

職業奉仕の定義

ロータリーにおける職業奉仕とは、会員一人ひとりが自身の職業を通じて社会に貢献し、職業上の高い倫理基準を保つことを指します。ロータリーの目的では、職業奉仕について次の3つの要素が掲げられています。

第一に、職業上の高い倫理基準を保つこと。第二に、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識すること。そして第三に、社会に奉仕する機会として、ロータリアン各自の職業を高潔なものにすることです。

つまり職業奉仕とは、単に仕事をこなすことではなく、自らの職業そのものを社会貢献の手段として位置づけ、高い倫理観のもとに実践していく姿勢を意味しています。

職業奉仕の理念

茶道裏千家前家元であり元RI理事の千玄室氏は、職業奉仕について深い洞察を述べています。

千氏はまず、職業は単なる仕事ではなく「天から与えられたもの」であるとし、リーダーシップと使命感をもって取り組むべきものだと語っています。いわば、職業を「天職」として捉える姿勢が、職業奉仕の出発点にあるということです。

さらに千氏は、ロータリーの公式標語「One Profits Most Who Serves Best(最もよく奉仕する者、最も多く報いられる)」こそが職業奉仕の神髄であると述べています。自分の職業や家庭を通じて奉仕の心を実践し、それを社会に示していくことが求められるのです。

そして千氏は、職業奉仕はロータリーの原点であり、ロータリアンとしての矜持(プライド)を持つことと同義であると結んでいます。

職業奉仕が意味するもの

職業奉仕の本質をまとめると、「職業を通じて高い倫理観を示し、専門知識や成功を社会のために活かし、次世代や地域社会に貢献すること」といえます。

会員がロータリーの襟章(バッジ)を着けて日々の業務に臨むこと自体が、職業奉仕への意思表示です。それは、自らの職業に誇りを持ち、その職業を通じて社会をより良くしていくという決意の表れにほかなりません。

職業奉仕は、特別な活動を新たに始めることだけを意味するのではありません。日々の仕事のなかで倫理的に行動し、職業の専門性を社会のために役立てること。それこそがロータリーの職業奉仕であり、すべての会員に求められる根本的な姿勢なのです。