例会情報

第1462回(24年度40回、令和7年5月14日(水))例会 / 働き盛り世代を救う新職種『企業型ケアマネジャー』とは?

【要約】

茨木西ロータリークラブ第1462回例会では、株式会社KASHIRO代表取締役の芦原大様が「介護離職問題と企業型ケアマネジャー」について講演されました。年間約10万人が介護を理由に離職する現状と、企業が年間6億円規模の損失を被る実態を明らかにし、新たな支援職種「企業型ケアマネジャー」による解決策を提案されました。また、川尻勝久会長がロータリーの110年の歴史と奉仕の精神について語りました。

【詳細報告】

■会長の時間

川尻勝久会長は、ロータリーの創設から現在までの110年以上の歴史を振り返りました。1905年にシカゴでポール・ハリスが創設した当初は、商道徳が欠如した殺伐とした時代背景がありました。友好クラブから始まったロータリーは、1907年の公衆トイレ設置プロジェクトを機に社会奉仕活動へと発展しました。1910年に全米ロータリークラブ連合会を結成し、1912年にカナダのRC加盟で国際組織となりました。

特筆すべき歴史として、1932年の四つのテスト誕生、1950年の緒方貞子の奨学生就任、1979年のポリオ撲滅活動開始、1987年以降の女性入会開始などを挙げ、ロータリーの継続的な変革と社会貢献の重要性を強調しました。

■芦原大様のスピーチ「介護離職問題と企業型ケアマネジャー」

株式会社KASHIRO代表取締役の芦原大様が、現代企業が直面する深刻な課題である介護離職について詳細に解説されました。

介護離職の現状と影響

  • 年間約10万人が家族介護を理由に離職しています
  • 特に40代~60代の働き盛り世代が大多数を占めています
  • 東京大学調査では中高年層の9割が介護に不安を抱えています
  • 企業への経済損失は大企業で年間6億円規模に達しています

企業型ケアマネジャーの提案 新たな解決策として「企業型ケアマネジャー」の導入を提案されました。その主な役割は以下の通りです:

  1. 社員向け研修・情報提供: 介護制度や対応方法の事前教育
  2. 社内相談窓口設置: 介護パニックに陥る前の早期支援
  3. 制度活用支援: 人事部門と連携した介護休業取得・復職調整
  4. 社内風土改革: 介護を理由に働き続けにくい環境の改善

芦原様は「介護離職は適切な支援体制があれば防げるもの」と強調され、企業・社員・社会全体での介護と仕事の両立支援体制構築の重要性を訴えられました。