例会情報

第1481回(25年度13回、令和7年10月8日(水))例会 / 落語「三年目」で学ぶ日本の伝統文化

【要約】

第1481回例会では、インドのロータリークラブ会員による革新的な環境保護活動が紹介されました。社会起業家ビニシュ・デサイ氏は、大量の産業廃棄物と家庭ごみをリサイクルして紙のレンガを製造し、何千もの低コスト住宅やスラムのトイレ建設に活用しています。また、今年度設立された大阪グローバルRCから幹事の喜多栄治様と社会奉仕委員長の京藤聡弘様が来訪され、クラブ間の友好を深める機会となりました。大森保子会員による落語「三年目」のスピーチでは、人間の愛おしさと滑稽さをユーモラスに描いた古典落語が披露され、会場を和ませました。

【詳細報告】

■会長の時間

澤田会長は、インドのバイブラント・ヴァルサール・ロータリークラブ会員である社会起業家ビニシュ・デサイ氏の取り組みを紹介しました。

デサイ氏はエコ製品のパイオニアであるEco-Eclectic Technologiesを創立し、大量の産業廃棄物と家庭ごみをリサイクルしてさまざまな製品を作っています。特に注目すべきは、紙のごみから作られたレンガです。このレンガは何千もの低コスト住宅やインド農村部スラムのトイレの建設に使われており、環境保護と社会問題の解決を両立する画期的な取り組みとなっています。

デサイ氏は11歳のときにごみからレンガを作る方法を発明し、以来「女性のため、社会のために何かをする」という信念のもと活動を続けています。2021年3月の事例として、この革新的なリサイクル技術が持続可能な社会づくりに大きく貢献していることが報告されました。

■落語「三年目」のスピーチ

大森保子会員が古今亭志ん生の名作落語「三年目」を披露しました。

物語の舞台は仲睦まじい商家の夫婦です。ある日、おかみさんが病に倒れ、死を覚悟した彼女は旦那に「再婚しないでほしい」と懇願します。旦那は「もし再婚するなら、婚礼の夜に幽霊として現れてほしい」と約束します。おかみさんは納得し、「八つの鐘を合図に必ず参ります」と言い残して息を引き取ります。

ところが、やがて旦那は再婚します。婚礼の夜、幽霊を待ちますが現れず、日を改めても出てきません。旦那は「結局、生きているうちだけの口惜しさだったのか」と先妻のことを忘れ、後妻との間に子供も生まれ、幸せな家庭を築きます。

そして先妻の三回忌の夜、突然八つの鐘が鳴り響き、幽霊が現れて「約束が違う!」と恨み言をぶつけます。旦那が「婚礼の晩に来ると言ったのに、なぜ今さら?」と問うと、幽霊は「死んだ時、髪を剃って私をお坊さんにしたでしょ? 坊主頭だと愛想つかされると思って、髪が伸びるまで待ってました…」と答えます。

落語の名人・古今亭志ん生が演じる「三年目」は、幽霊の恨みよりも「見た目」を気にするユーモラスな噺です。志ん生ならではの飄々とした語り口が、しみじみとした哀愁と滑稽さを絶妙に引き立てます。怪談のようでいて、人間の愚かしさがにじみ出る、まさに落語の醍醐味を味わえる一席です。

大森会員は、落語において「女性の恥じらい」が重要なテーマの一つとされていることを解説しました。幽霊として現れる約束をしながらも、「髪が伸びるまで待っていた」という人間臭い恥じらいに基づいた行動が、この噺の笑いどころとなっています。

また、参考情報として、現代ではまず見られませんが、昔は埋葬前に死者の頭髪をそり落とすという習俗があったことが紹介されました。僧形(そうぎょう)になることで極楽往生できるという信仰に基づくものです。

大森会員の語りは温かく、ユーモアと哀愁が織りなす落語の世界を見事に表現し、会場を大いに楽しませました。