例会情報

第1517回(26年度5回、令和8年8月5日(水))例会 / 茨木「三島」の地名と溝咋神社に隠された古代史

【要約】

第1517回例会では、8月の「会員増強・新クラブ結成推進月間」にちなみ、黒根会長が国際ロータリー第2660地区の会員数と年会費のデータをもとに、クラブの規模と会費構造の関係、そして衛星クラブという選択肢について考察しました。永田会員によるスピーチ「三島の国と溝咋神社」では、茨木市を含む三島地域の古代史と、被災した溝咋神社の保存という地域課題が語られました。

【詳細報告】

■会長の時間

黒根会長は、8月が会員増強・新クラブ結成推進月間であることを踏まえ、ガバナー月信に掲載された会員数データから会員増強のヒントを探りました。

2026年6月時点の第2660地区の会員数上位5クラブは、1位が大阪ロータリークラブ239名、2位が大阪北ロータリークラブ206名、3位が大阪南ロータリークラブ202名、4位が大阪東ロータリークラブ120名、5位が大阪西ロータリークラブ110名と、いずれも「大阪」を冠する古参クラブが並びます。意外なのは6位のくずはロータリークラブ100名で、例会場は2024年に開業したばかりのカンデオホテルズ枚方であり、年会費も決して安くはありません。古参クラブは会費が高くてもブランド価値が高く、会員が自然と集まっている可能性があると指摘しました。

逆に年会費の安い順(衛星クラブを除く)に見ると、1位が八尾ガーデンロータリークラブの70,000円、2位が大阪水都ロータリークラブの90,000円、3位が大阪ネクストロータリークラブの100,000円、4位が池田ロータリークラブの150,000円、5位が大阪上方ロータリークラブの180,000円です。会費が安いクラブは月2回開催・食事なしという運営形態が多く、会費の安さは新規入会の動機になり得るものの、「会費が安い=会員数が多い」とは言い切れないと分析しました。

さらに、会員増強のもう一つの選択肢として衛星クラブの活用を挙げました。第2660地区の衛星クラブはまだ5つにとどまり、IM第2組には一つもありません。衛星クラブは親クラブと異なる会費・開催日程・例会場を設定できる一方、会員は親クラブの正会員として扱われるメリットがあります。既存の衛星クラブのホームページを調べたところ、活動内容の紹介など情報量が少ないクラブが多く、広報・運営体制を整えた衛星クラブをつくれば、大阪北部の広い範囲から会員を集められる可能性があると述べました。

 

■永田会員のスピーチ「三島の国と溝咋神社」

永田会員は、茨木市を含む「三島」という地名の由来と、地域に鎮座する溝咋神社の歴史について語りました。

「三島」は古代の三島国・三島郡の名を受け継ぐ地名で、現在も大阪府の三島地域として茨木市・高槻市・吹田市・摂津市・島本町の4市1町を指して使われています。古代の三島は淀川・安威川・芥川がつくる水郷地帯で、水運や農業、交易の拠点として栄えました。その発展を支えたのが「溝を掘り、杭を打って水を制御する人々」とされる溝咋一族で、高い治水・灌漑技術を持っていたと伝えられます。この氏族を代表する神社が溝咋神社です。

主祭神の玉櫛姫は、『日本書紀』では三島溝橛耳神の娘とされ、出雲系の神である事代主との間に媛蹈鞴五十鈴媛命をもうけました。五十鈴姫は後に神武天皇の皇后となっており、この系譜は三島の豪族がヤマト王権の成立に深く関わったことを物語っています。一方、「出雲口伝」では、事代主神の死後に玉櫛姫が子らを連れて実家の三島へ戻り、その子・奇日方命が葛城や鴨へ進出して賀茂氏や大神氏の祖となったと伝えられています。記紀と出雲口伝では細部が異なるものの、いずれも三島が出雲とヤマトを結ぶ重要な結節点であったことを示しています。

約二千年前に水運の要衝であった三島は、現在も名神高速道路と新名神高速道路が交わる交通の要衝です。時代が変わっても「人・物・文化が集まり、行き交う場所」という三島の役割は受け継がれている、と永田会員は指摘しました。

しかし溝咋神社は、平成30年の大阪府北部地震とその後の台風被害により、本殿以外の社殿の取り壊しを余儀なくされ、社殿改築のために敷地の一部を売却せざるを得ない状況にあります。永田会員は、残された本殿を保存できるよう神社の復興に力を入れていきたいとして、参加者に協力を呼びかけました。